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松平信綱公にまつわるエピソード
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Episode
09 突貫工事の天才
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ある日、家光は西の丸の庭で能楽師たちに能を演じさせようと思い立ちました。ところが、その庭は見通しが良すぎて能舞台としては具合が悪い。そこで、家光は「急いで庭に白土塀を築け」と命じました。
通常であれば、縄張りから土台、骨組み造りとなり、土を塗って乾くのを待ち、その上から白漆喰を塗るため数日が必要です。しかし、これを長四郎は一刻(二時間)以内に完成させて見せたのです。
どうしたのか。矢倉や土蔵などは外壁を白漆喰で塗ってあるのですが、その扉も同様に白漆喰が塗られています。長四郎は、その扉をはずして持ち寄り、一列に並べるとそれぞれの間を鎹(かすがい)で留めていきました。さらに丁寧なことにその即席の白土塀の上に屋根覆いまで乗せましたからこれはもう立派な白土塀(見た目は)です。
また、家光が朝鮮通信使の「馬上手」(ばじょうさい:朝鮮伝統の馬の曲乗り)が見たいと所望しました。そのために長さ八町(872m)の馬場を作ることになりました。しかも、その両端に食い違いのある土居(土手)を築けといい、期限は明日までとのことでした。これも常識では無理な話です。
この難問を解決したのも前年に従五位下伊豆守となった松平伊豆守信綱だったのです。
彼は材木でかまぼこ型の骨組みを作り、その表面を壁の下地に用いる木舞と呼ばれる竹などを組んだものでおおい、その上に土を塗って芝を植えました。あるいは、数百個の籠を組み合わせ他とも言いますが、いずれにせよ見た目は立派な土居でしかも軽いのですから、家光のお気のめすままに配置でき、大いに満足したということです。
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