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松平信綱公にまつわるエピソード
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Episode
07 扇を用いて橋の勾配を決める
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ある時、竹千代は反り橋(太鼓橋のこと)の勾配(曲がり具合)を自ら決めようと思いつきました。しかし、わたる者の便を考え勾配をゆるやかにすると見栄えがしない。かといって、勾配をきつくするとわたりにくくなる。どうすべきか竹千代が途方に暮れていると長四郎がやってきました。
長四郎は、腰帯に差している扇を抜き取り、少しずつ開きながら、
「扇は三つ合わせると、一つの丸ができあがります。さて、この反り加減ではいかがでしょうか。あるいはこれくらいでは。」
すると、長四郎がある程度まで扇を広げたところで、
「うむ、そのくらいがよい。」
と、竹千代はいい、よい勾配に決められたことに大変満足しました。 |
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